オーロラの歌
「お前、何者だ」
「何者かって~?それは……」
あ……!
彼、怪我してる。
落ちた拍子に、木の枝の先で右頬に傷を負ってしまったらしい。
「ヒ」
気づいたら、私は窓を飛び越えて、走っていた。
シエルとラジの、私を呼び止める声を無視して、足を動かす。
「ミ」
ハイトーンブロンドの髪色をした、前髪の長い少年が口元に人差し指を当てる。
「ツ」
最後の一文字を妖艶に呟いた少年の目の前までやってきた私は、少年の傷ついた右頬に繊細に触れた。
血が出てる。
痛そう。