オーロラの歌

三日目に愛を知った





今日も、昨日と同じ夢を見た。




私はなぜか、行ったこともないセイント城にいて、私の目の前にはお母さんと、会ったことのないお父さんがいる。


二人とも、多分笑ってる。


多分、と言うのは、二人の顔がボヤけて見えないから。



最初は、すごくすごく楽しいんだ。


両親と笑い合って、幸せな時間を過ごす。


けれど、いつも突然辺りが真っ暗になって、暗闇に目が慣れてきた頃には、お母さんとお父さんは死んじゃっている。


まるで、これが世界の理なのだと、私に教えるように。



怖くなって、悲しくなって、泣き出しそうになった私の横に、ぼんやりと現れる誰かの姿。


その人の真っ赤な髪が、揺れる。


写真でしか見たことがない、女王様だ。


女王様の手にある鋭いナイフを、私に向けられる。



私に近づいてくる女王様。


ナイフの先端が、わたしの肌に触れると。




夢が終わりを告げて、目が覚めた。




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