オーロラの歌

それは、始まる物語のプロローグ




とある家の、一室。

すやすやと寝息を立てている、とある人物にも、小倉琉美と同様に雷が落ちていた。


雷光によって届けられる、黒ずんだ記憶と能力。




――あぁ、あなたが、この世界のあたしなのね。




今度こそ、オーロラを殺す。


そのためにも、あたしの……ルシフェル王国の女王であるイービルの、意思を、闇を、受け継いで。


あたしの恨みも、悪も、復讐心も。

全部丸ごと、あなたにあげるわ。


頼んだわよ。



さあ、オーロラを、アンジェラスを、あたしの敵となる奴全員を憎みなさい。


光は要らない。

あたしを邪魔する者も、要らないの。



お願いよ、あたしの代わりに排除して。


あたしの雪辱を遂げて。



殺すことをためらってはダメよ?

転生したオーロラを、残酷に殺して。



あなたには、あたしと似たような意識を感じる。


期待してるわ――。



< 545 / 888 >

この作品をシェア

pagetop