純愛☆カルテット
「えー、そうなんだ。なんか昨日の夜に浜安君からメールで今日の実習の質問されたんだけど。希和にも質問きた?」

紅子がスマホの画面を見せる。

『夜遅くにごめん。明日の実習って色鉛筆いるっけ?』

顕微鏡でプレパラートを観察する授業ではスケッチ用に色鉛筆が必要なのだ。

もちろん希和のもとにはこんな文面のメールは来ていない。

「私には来てないよ。紅子だけだと思うけど。」

そこまで言って希和はハッとした。

「紅子ってよく浜安君とメールしたりするっけ?」

「ううん。メールしたのこれがほぼ初めてだよ。」

俺が樋本さんにアプローチしたらどうなるのかな。という修二の言葉を思い出す。

まさか修二はこんなメールで紅子にアプローチしたつもりなのか。
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