純愛☆カルテット
「浜安君おはよ!色鉛筆持ってきた?」

紅子の声で我に返る。修二が教室に入ってきたところだった。

「おはよう。うん。昨日はありがとう。」

修二は微笑んで紅子にそう返す。

希和とは目を合わせない。

(なんなんだあいつ)

席についてスマホをいじっている修二を、希和は複雑な気分で見つめた。

「希和どうしたの?恐い顔して」

湯島加江が希和をつつく。

「え、私怖い顔してた?やだなー。これ通常モードなのに。」

そう言いながらケータイに目を落とすと、メールが一件入っていた。

見ると、送信主は浜安修二。文面は

『(^^)/』

(なんなんだよこいつ)

修二の意図がわからなさ過ぎて、希和はスマホを閉じて修二を睨みつけた。




修二の紅子へのアプローチの始まりだった。
< 36 / 48 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop