新生児マス・スクリーニング―赤ちゃんの命を救う話を、ドクターから聞きました―


日本の新生児マス・スクリーニングでは20種類前後だから、ニューヨークはその倍以上だ。


例に挙がった鎌状赤血球症は、日本ではチェックされないらしい。


遺伝子的に言って、その患者である可能性が極めて低いため、チェックする必要が認められないからだ。


ちなみに、鎌状赤血球症も代謝異常の一種だそうだ。



代謝って、ダイエット系の本をよく読んでいたら、食べたものを上手にエネルギーにして使うという「食べ物限定」のイメージになりがちだけど、本来はもっとずっと意味が広い。


代謝は「体内で起こる化学変化」の全般を指す。


要するに、生命維持活動のほとんど全部が絡んでいる。



呼吸によって酸素を体内に取り入れて使うのも、体内で起こる化学変化、つまり、代謝の一種だ。


だから、鎌状血球症という、酸素を運ぶ赤血球に異常が出る病気も代謝異常というわけだ。



そして、これら代謝を助けるために働く物質が、酵素。


酵素がうまく働かないせいで代謝のサイクルがおかしくなって、結果として体調が悪くなったり障害が起こったりするのが、代謝異常。



ついでに言うと、ダイエット本で見掛ける「代謝をよくするために酵素を取りましょう」というのは、「食べ物に含まれる食物酵素を取ることで、体内の酵素の働きをサポートできるから、健康的な代謝が促進されますよ」って意味らしい。


ダイエットのキャッチフレーズには二重三重のバイパスがあるんだな、というのを痛感。


説明不足すぎるよ。


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