闇に咲く華


その日の授業終わり、学校を出て家へと帰るためひとりで歩いていていると、ふいに後ろから誰かが私の肩に腕を回してきた。


え……。


ビックリして顔を上げると、笑顔の男が私を見下ろしていた。


「あ、姫乃ちゃんこっち?」


こっちってのがどっちのことを言っているのかわからず。


というより、あまりの驚きに声も出せずにいると……。


「俺もこっち。奇遇だなぁ」


奇遇もなにも、この男に慣れ慣れしく肩を抱かれる覚えなどない。


「うーん、やっぱいいな。その髪形、マジでいいよ」


「あの、なに……」


「つーかさ、俺と付き合わねえ?」


「はい?」


「姫乃ちゃん、超俺のタイプなんだよな」


突然なにを言ってるの?


それに、タイプって髪形だけでしょ?


「ちょっと、満島君、やめて……」


「いやいや、なにその他人行儀な感じ」


他人行儀もなにも、どう考えても他人でしかないと思うんだけど。


「俺ら、クラスメイトじゃん。しかも、真剣交際申し込んでんのに、満島君とか距離ある呼び方じゃ寂しいだろ」


真剣交際を申し込むって……。

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