闇に咲く華
この男、本気で頭おかしいんじゃないの。
あまりの馬鹿馬鹿しさに返す言葉も失っていると、後ろから呆れたような声が聞こえた。
「嫌がってんだろ」
思わず立ち止まって振り返ると、御影白玖と藤波壱が並んで歩いていた。
白玖の高い身長にたいし、壱はそれより少しだけ低い。
まあ、本当に少しなので、一般的には高い方だと言えるけど。
「やめてやれ」
そう言った白玖が、私たちを通り越す瞬間、大牙の腕を掴み放してくれた。
「なんでだよ。マジでタイプなんだよ」
そんな大牙の言葉に、壱がアッサリ返す。
「髪形だけだろ」
「違げえよ。細せぇし、なにより可愛いしな」
「でも、お前の好みにしては背が低い」
「いいんだよ、この際、背とかどうでも。スタイルも、まあまあ……」
「どこがだ。まあまあまで行ってねえよ」
ちょっと、私のスタイルは、まあまあ以下ってこと?
「壱……お前ってホント最低だな。まあまあまで行ってねえとか、姫乃ちゃん傷つくだろっ!」
「まあまあはいいのかよ」
「まあまあは、まあまあだしな。んなに、悪くねえよ」
まあまあで悪かったですねっ!