闇に咲く華


その距離はとても近い。


「違うから、これは……」


ていうか、ホントに顔近いし。


涙を見られたくなかったはずが、妙にドキドキして、赤くなりそうな顔を見られたくない、に変わる。


「隠すなよ」


「ホントに、違うから……」


「抱きしめてやろうか?」


「はい?」


なにを言い出すのかと思っていると、白玖が笑う。


「断んなら、制限時間3秒な」


いったい何が3秒なのかと思った時、突然私の腕が引かれ、その胸に抱き寄せられた。


細そうに見えて、意外としっかりしている身体が、私を優しく包む。


「今のは嘘だな。3秒もなかったよな」


自分でそうしておいて、ノンキに笑っている。


確かに3秒もなかった。


「え、ちょっと……なにこれ……」


「なぐさめる的な?」


「そんなのいらないし」


「意地はんなよ」


「そんなんじゃないし、離してよっ」

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