闇に咲く華


「そんな男と付き合うとか、あり得ないし」


「それもそうだな」


「ね、全然……え、もしかして違わないの?」


白玖も大牙と同じように、その程度の話しなら……。


「お前、俺の話し聞いてたか?」


なぜか、不機嫌な顔になる。


「大事にするって言ってんのに、浮気とかするわけねえだろ」


でも、浮気はしなくても、いつか気持ちが冷めることはあるんじゃないの。


ある日突然、理由を聞かされることなく、ただ用無しにされたりしたら。


邪魔にされて、周りも口をきいてくれなくなったりしたら。


そんなことになったら、次はどこへ行けばいいの?


松井姫乃じゃなく、今度は誰になればいいの?


髪だって、これ以上どうすれば……。


「姫乃?」


姫でもなく、姫乃でもなくなったりしたら、私はもう消えてなくなるしかないんじゃないの。


そんなことになるのは、耐えられないから。

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