身代わり・・だけ・・

…栞奈


臣君とこんな関係になって
四年が過ぎた。

臣君は、優しいから
「どこかにいかない?
   たまには、外に行こう」
と、言ってくれたが
私は、杏奈の身代わりだと
思っていたから
何も望まなかった。

臣君もお医者さんになり
臣君のお父さんが建てた
病院で小児科医として働き出した。

私の仕事も順調で
本当に綾乃さんと美都さんの
お陰だ。
美都さんは、私の経営管理を全て
やってくれていた。

綾乃さんのお店に商品を
届けて帰る時・・
あっ・・臣君と杏奈・・

一緒に歩いてる二人・・

えっ、杏奈‥‥いつ‥‥
やはり、杏奈は可愛い‥‥
臣君も‥‥とても嬉しそう‥‥

私といるときとは大違い。

私の役目は・・終わった。
終わったんだ・・・ 

ああ、だからお母さんが
毎日いないんだ。
杏奈が帰国してるから



その日をさかいに臣君から、
呼び出しはなくなった。

『本当に終わった』
と、ホッとしている自分と
寂しいと思っている自分がいた。

それから、しばらくして
臣君から
突然連絡がきて
「家に、すぐきて。直ぐだよ。」
と、言われて
なんか、普通じゃなかったから
あわてて、家に行くと
行きなりベッドに連れていかれ
抱かれた。

オモチャのように扱われ
私は、心が折れそうだった。

近頃、優しく抱いてくれるように
なっていたのに
荒々しく抱かれ涙が溢れた。

なぜ?
なぜ、私をだくの?
杏奈がいるのに?
比較しているの?
お情け?

臣君は、そのまま寝てしまったので
私は、急いで家に帰った。
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