身代わり・・だけ・・

…臣


杏奈を失って
荒れた俺を救ってくれたのは
栞奈だった。

栞奈との関係も4年が過ぎた。

俺は、栞奈に甘えてばかりで
栞奈は、恋人らしいことは、
なにも望まずに
俺に尽くしてくれた。

俺は、そんな生活が
あたりまえになっていた。

俺は、医大を無事に卒業して
小児科医として
親父の病院に入った。

色々覚える事も多く
毎日、大変だった。
でも、栞奈がいつも、
癒してくれていた。

そんな時に
杏奈が帰ってきたらしく

突然訪ねてきて
びっくりした。

杏奈は、仕事は順調だが
彼と上手くいってないと
泣いていた。

俺は、泣いている杏奈を
放置することも出来ずにいた。

それからは、杏奈から
連絡があると
杏奈を慰めて
話を聞いたりしていたから
中々、栞奈に合えなかった。

栞奈に会いたかったし
栞奈を抱きたかったが
それも出来ずにいた。


半年以上経ったとき
杏奈が仕事で
イタリアに行ったので
栞奈に連絡した。

久しぶりの栞奈を
俺は、我を忘れて抱いた。

栞奈の肌の温もりに
酔いしれて
栞奈が、泣いていることも
気づかずにいた。

俺は、その日・・何度も何度も
栞奈を抱いた。
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