身代わり・・だけ・・

…日本へ


綾都は、飛行機に乗れるのを
楽しみにしていた。
「アヤト、マムを頼むね。」
と、ラルフが言うと
「はい、パパ。」
と、答える。

ラルフは、
「いいね、カンナ。
気分が悪くなったら
直ぐに電話して。
そして、戻るんだよ。」
「うふふっ、わかってる。
必ず連絡するね。
ラルフも、お仕事無理しないでよ。」
と、言うと
ラルフは、私を抱き締めて
「やはり、行かせたくない。
僕が、見えないとこに
行かせたくないよ。」
と、言いながら
栞奈の顔中にキスをしていたら
美都さんが
「ラルフ、大丈夫だよ。
私も、綾乃もいるんだから。」
と、言った。

ラルフは、美都さんに
頷いてから
「カンナ、愛してるよ。
忘れないで。
それから、アヤトを頼むね。」
と、心配気に言うラルフに
「うん、私も愛してる。
    じゃ、行ってくるね。」
と、言って
搭乗口にアヤトと
手を繋いで入った。

綾都は、ラルフに手を振りながら・・
「パパ、いってきま~す。」
と、アヤト。

ドイツから12、3時間かかる。
アヤトは、退屈するかと
思っていたが
飛行機の色んな機能に
興味津々。

でも疲れたら
眠ったりして過ごしていた。

やっと、日本へたどり着いた。


空港には、綾乃さんが、
来てくれて
綾都は、
「あーババ!」
と、言って
綾乃さんに抱きついた。

「綾都、よくきたね。
栞奈、大丈夫かい?
ラルフが、うるさくてさ。
美都も、お疲れ様。」
「はい、大丈夫ですよ。
ラルフは、心配しすぎで。
すみません。」
「でも、本当に体調悪くなったら
言うんだよ。」
と、美都さん。
「はい、美都さん、綾乃さん。」
と、言ったら
「マムっ、おりこう」
と、綾都はニコニコしていた。


美都さんと綾乃さんは、
日本を離れる時
私がどんな状態だったか
間近でみていたから
心配かけたくない・・
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