ハッシュハッシュ・イレイザー
「なんだか、それも運命的なものを感じる。その男の子とは上手くいきそう?」

「ううん。今はそっと見つめてるだけ。紫絵里が、松永君の事好きなの。それで、私はでしゃばれない。紫絵里も邪魔をしてほしくないって思ってるわ」

「それじゃ、紫絵里と、松永君が上手くいってるの?」

「多分、そうなのかもしれない。二人はいつも意気投合したように話してるし、最近、紫絵里も色気づいてきた感じ。告白はまだみたいだけど、紫絵里は上手くいきそうって思ってる。あの石を握りしめながら」

「なんだか悲しいわ。あの石に頼るなんて。あの石は欲望に反応しているだけなのに」

「ほんとに、あの石、マリアが渡したんじゃないの?」

「いいえ、私じゃないわ。だけど、あれを持ってきたのはハイドなのは確かね。ハイドは近くで私たちを見てるのかもしれないわ」

「マリア、それって……」

「ダメ、それ以上は言わないで。私、どうしていいのかわからなくなっちゃう」

 マリアは真理から目を逸らし、ぐっと体に力をいれた。
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