健診診断と恋と嘘

「大切な彼女の付き合い始めてから初めての誕生日なんだから、張り切るよね。朔夜は甘えてればいいの。それなりに稼いでますし、使うとこもなかったからね」


だけど、いつも凌ちゃんに甘えてばっかりなのに本当にいいのかな。


それも顔に出ていたらしく、凌ちゃんが困ったように笑って私の頭を撫でる。


「本当に大丈夫だから。喜んでもらえると思ったんだけど、嫌だった?」


そう言われて私は慌てて首を横に振る。


嫌なわけないし、ちょっと申し訳ないと思っちゃっただけで。


だけどこれは、素直に喜んだ方が凌ちゃんも喜んでくれる気がする。


「ううん、嬉しい。凌ちゃんにしてもらってばかりで、私何も返せてなくてごめんね。ありがとう、凌ちゃん」


そう言って微笑んだ私に、凌ちゃんも微笑んでくれる。


「いっぱいもらってるから、大丈夫。朔夜のおかげで大分人間らしい生活送れるようになったし。旅行なんて来るのかなり久しぶりだから」


ああ、そうか。凌ちゃんにも温泉に入ってゆっくりしてもらうのもいいかも。