健診診断と恋と嘘

「よし、と。じゃ、食べよ。いただきまーす」


そう言って手を合わせて食べ始めようとしたところで携帯が鳴った。


携帯のディスプレイに表示されているのは小塚さんの名前で、それを見て私は驚いてしまう。


な、なんで電話。でも今、メールしたところで出ないのも変だよね。


そう思って左手に持っていた茶碗を置いて、電話に出る。


「もしもし」


『あ、朔ちゃん? メール、ありがとう。今、平気なの?』


うう、この人の声本当にいいな。好みの声すぎる。


昼間もそうだったけど電話だと本当に耳元で囁かれてるみたいでゾクゾクする。


「あ、はい。大丈夫です」


反対の耳に携帯を持ちかえて左耳を撫でながらそう答える。


『俺、今会社から出るところなんだけど。旦那さん、まだ帰ってきてないんだ。それとも他の男と電話してても気にしない人?』


あ、そうだった。そういう設定なんですよね。うっかりしてました。


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