...笑う月。
6
ガチャ......

「.......帰った。お前の家族は無事だったぞ。」


「.......！！」


家族が無事だったのはとても嬉しかった…が。


「ど、どうしたの！？その傷は！？」


あんたが無事じゃないでしょ！？


彼は血だらけになって帰ってきた。


「こんなのほっとけば治る。」


「いやいやいやいや！血みどろじゃんか！待てぇい！消毒したげるから！」


救急箱は！？どこどこ！んー。あっ！あれかぁ！？あったぁぁ！


「はい！傷手当するからね！痛いかもだけど我慢ね！」


丁寧に手当していると、廊下から弟の声がした。


「ねーちゃん！どこ！？帰るよ！こんな所に居たくないよ！はやく！」


弟は私を探していた。


だが、弟はここの人たちに怯えている。



だけど私は帰るわけには行かない。

ここまでしてもらって帰るなんて出来ない！



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