秘密の図書室 ~私と彼の特等席~
「そう言ってもらえてよかった。まずかったらどうしようかと思った」
「そんなっ! ほんとにすっごくおいしかったよ!」
「嬉しいなあ…。自分の作った弁当食べてもらうの初めてだから…」
「そうなの?……って、え!? 自分で作った!?」
ウソ……。
こんなおいしいお弁当を!?
「あ、ごめん。嘘ついちゃて。ほんとは俺が作ったんだ」
「女みたいだよな」と苦笑する中野くん。
「ううんっ! すごいよ! ほんとにおいしかったんだもん」
「そんなに褒められると思ってなかった」
中野くんは、顔をほんのり赤くして言った。
「こんな料理、毎日食べてたいよ」
そんなことを言ったからなのか、中野くんは
「こんなのでよければ、俺明日から花見さんの弁当も作ってきてあげるよ」
ただ、ニコっと笑った。