それはとっくに恋だった
翌朝、私はひどい顔をしていた。


顔を見た瞬間、母が固まるほどに。


それでも母は泣いた訳を聞かなかった。



「今日は?会社休むんでしょ?」


「・・・・うん」



もう出血もない。体調が悪いわけではない。病気でもないのに会社を休むのは少し気が引けた。


あの時は、とにかく逃げたくて、勢いで帰ってきてしまったけど、失敗だったかも。



「真尋。」


「何?」


「あなた、自覚ないみたいだけど、顔色、まだ悪いわよ。」


「・・・・・」


「あなたが真面目なのはよくわかってる。

 でもね、今日行ってもいつも通り仕事ができるとは思えないし、そんな顔して会社に行ってもみんなに心配かけるだけよ。

 今は大丈夫でも、今日無理すれば絶対に体調を悪くするわ。

 だから、今日は休みなさい。」



私が黙ってうなずくと、母がポンポンと頭を撫でた。



何だが、小さいころに戻ったようで、泣きたくなった。
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