それはとっくに恋だった
その時、玄関からガチャと音がして私たちはあわてて距離を取った。



そして扉の方を見ると母が気まずそうな顔でこちらを見ている。



「ごめん。寒くて限界だった。」


そういわれて初めて気が付いた。


もう一月も終わりになり1年で一番寒い時期だ。


そんな中、母は上着も着ずに飛び出していったのだ。



「すいません!」


颯太もそのことに今気づいたらしい。あわてて頭を下げている。


「いいの。いいの。何かうまく行ったみたいだから。」



母は私を見てほほ笑んだ。


「あ、あのお義母さん!」


颯太にそう言われて母は颯太を見る。



「あの、俺、真尋さんと」


「ストップ!」



何か言いかけた颯太を母が止める。
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