雪の降る日に、願いを消して
消す
駿からのメッセージを見つめていると、玄関のチャイムの音が聞こえて来た。


パタパタとスリッパの音がして、お母さんが玄関に出る。


「鈴、大丈夫ですか?」


聡樹のそんな声が聞こえてきて、あたしはハッと息を飲んでスマホを置いた。


「あら聡樹君、来てくれたの?」


お母さんの嬉しそうな声。


続いて2階へ上がってくる2つの足音。


あたしは慌てて電気を消してベッドに潜った。


別に悪い事をしているわけじゃないのに、駿からのメッセージを見てしまったという罪悪感が胸の中にあった。


部屋をノックする音。


「鈴、聡樹君が来てくれたわよ」


お母さんの嬉しそうな声。


そしてドアが開く音。


「鈴……寝てるのか?」


そんな聡樹の声に、あたしは今目が覚めたというように目をあけた。


「聡樹?」


そう言い、電気をつける。


「悪い、起こしたか?」


「ううん、大丈夫」
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