雪の降る日に、願いを消して
証拠
決定的なものを見てしまったあたしは駿の後を追いかけることも忘れ、その場に立ち尽くしていた。


駿と同じ顔をしたショウ。


そして2人はおそらく一卵性双生児の双子。


学校に籍を置いているのは駿だけれど、その駿が何度も体調を崩すのでショウが代わりに登校してくるときが多い。


そこまで頭の中で考えて、息を吐き出した。


だけど疑問はまだぬぐえてはいない。


一卵性双生児だとすれば、ショウだって16歳の高校1年生ということになる。


それなのに頻繁に入れ替わって登校して来るということは、ショウは学校へ行っていないのだろう。


高校は義務教育ではないけれど、進学しない人は随分と珍しい。


それに、駿の代わりに登校して来ているショウは勉強にもちゃんとついて来れているようだ。


それなら普通に受験をして一緒に通えばいいだけだ。


そうしない理由がなんなのか、あたしにはわからなかった。


あたしはスマホをポケットに戻し、ようやく歩きだしたのだった。
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