雪の降る日に、願いを消して
待ち伏せ
1日の授業が終わると桜子と駿はそそくさと教室を出て行った。


その様子を眺めたあたしはゆっくりと鞄を持って席を立つ。


2人を追いかける気はなかった。


追いかけて問い詰めてみようかとも考えたけれど、あの2人はショウとは違う。


まともに相手にしてくれないかもしれないと、思い直した。


「鈴、一緒に帰る?」


鞄を手にした紗英がそう声をかけて来る。


「うん」


あたしはそう答えて、紗英と2人で教室を出たのだった。
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