雪の降る日に、願いを消して
「なにムッとしてんだよ?」


小石が転がって行った先に聡樹が立っていた。


ジーンズとTシャツの上に薄手のジャンパーを羽織っている。


「おはよう聡樹」


「おぉ」


「紗英は?」


「少し遅れるって」


聡樹がそう言った時だった、聡樹の後方から紗英が走って来るのが見えた。


「ごめん、送れた!」


息を切らしてそう言う紗英は、昨日買った服を着ている。


あたしが今日着て来たのと色違いだ。


あたしは白。


紗英は薄いピンク色のカーディガンだ。


首元にパールがついていて、お姉さんらしさを演出してくれている。


今日の紗英はそれに合わせて柔らかくてかわいらしい印象のメークをしてきている。


このメークに少し時間がかかったのだと、あたしはすぐに理解した。
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