雪の降る日に、願いを消して
☆☆☆

翌日は休日だった。


あたしは昨日買ったばかりのお気に入りの洋服に袖を通した。


紗英とお揃いで買ったものだ。


紗英と聡樹には昨日の夜に連絡を入れていた。


萌ちゃんに会った事、そして萌ちゃんの様子。


『カレン』と言う名前の子がなにか絡んでいるかもしれないと言う事。


それらを伝えると、2人はすぐに今日集まる事を提示してくれたのだ。


とにかく、今日は『カレン』という子について調べるのだ。


自分たちのクラスにも、隣のクラスにも残念ながらそんな名前の生徒はいない。


だけど、必ず駿とショウの周りにいるはずだった。


そしてその子がなにかのカギとなっている。


あたしは鞄を掴んで家を出た。


足取りは自然と早くなっていく。


駿とショウの周りには女の子ばかりが溢れている。


桜子に萌ちゃんに『カレン』そしてあたし。


そう考えると胃のあたりがムカムカしてきて、あたしは小石を蹴とばしたのだった。
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