雪の降る日に、願いを消して
残酷な現実‐駿サイド‐
可憐がいなくなって一週間が過ぎていた。


俺の日常は変わらず続いていて、その事がとても不思議だった。


俺の初恋の相手はもういない。


気持を伝えることもできずに、いなくなってしまった。


そんな俺の気持ちを察したのか、桜子はいつも以上に優しかった。


登下校の時に中学校の鞄を持ってくれたり、楽しい会話をしてくれたり。


それが全部俺のためだということはわかっていた。


だから桜子と一緒にいる時は少し無理をしてでも笑っていた。


だけど……それは簡単に崩れ去った。
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