フォーチュン
「あぁ!ああぁ!ユーリス様ぁ!!」
「・・・その髪の色。染めたものだな」
「え?なに・・・」
「誰が頭を上げよと言った」
「もっ、うしわけ、ございませ・・・んっ!」


それもマダム・ナタリアの「心遣い」なのか。
・・・苛立つ。
アンが見つからないことに。
アンを危険な目に遭わせている自分に。
何より、自分の欲望を、アンではない女で満たそうとしている自分に腹が立つ。

ユーリスが部屋から出たとき、女性はまだうつ伏せになったまま、快感に打ち震えていた。
< 205 / 318 >

この作品をシェア

pagetop