フォーチュン
ⅩⅩⅡ
「いやあね、あたしの伯母さんがさ、ドラークに住んでるんだよ。それであたしも近いうちに遊びに行こうと思ってさ」
「そうですか」

『一人より二人で旅するほうが楽しく心強い』

そう言っていたディオドラの笑顔を、アンジェリークはふと思い出した。
グリーンの瞳が喜びで揺らめく。

・・・本当に、ディオドラさんの言ってたとおりだわ。

アンジェリークとイーディスは顔を見合わせてニッコリ微笑んだ。

「じゃあ決まりだね」
「ええ。よろしくおねがいします」
「うん。で、アンはドラークのどの都市へ行くつもり?」
「それはまだ・・・」

コンラッドが住んでいる場所は、王宮周辺が一番確率が高い。
でもそこに住んでいるとは限らないし。

「アンは一体、ドラークへ何しに行くんだい?」

ドラークへ行くということは決まっているが、ドラークのどこへ行くのかも決めていない。
イーディスが怪訝に思うのも無理はないだろう。
そこでアンジェリークは、ドラークへ行く目的を、イーディスに話した。
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