フォーチュン
「ひとまず100万ルキア分は稼ぐんだよ」
「マダム・ルッソ。私は・・・」とアンジェリークが言ってる途中で、マダム・ルッソにもっときつく二の腕を掴まれた。

「いたっ」
「避妊薬は飲んだかい?」
「あ・・・・・・・はい」
「賢明だ。子を孕んでも、ここじゃあ責任持てないし、殿方が責任を持つ必要も、もちろんないからね。自分を守るのは自分しかいないってことだよ」
「・・・かしこまりました、マダム・ルッソ」

そうつぶやいたアンジェリークの顔には、生気がなかった。

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