フォーチュン
「かしこまりました、ユーリス様。マダム・ナタリアから報告書が届いておりますが」
「父上に回せ」
「かしこまりました」
「あのー王子」
「なんだコンラッド」
「だからそのー・・・あんまり暴走すると、アンジェリーク皇女が引きますから・・・」

コンラッドの“忠告”に、ユーリスはフンと鼻で笑うことで返事をした。

「引いたところでどうする。アンは俺からもう逃げることはできん」
「だから・・・あぁ王子、もう少し落ち着いてくださいよ」
「おまえたちはさっさと父上に報告をして来い」
「・・・かしこまりました」

皇女、色々すみません。
でも皇女も王子のこと好きだから・・・ま、何とかなるよな。

コンラッドは最後、無理矢理楽観的な方向へ考えを持っていきながら、フレデリックとともに、マクシミリアン国王のところへ歩いて行った。

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