フォーチュン
『アン。ユーリス様は私と結婚をするのよ!』
『わ、わかっています。でも私は、ユーリス様がほしいという気持ちを抑えることができなくて・・・』

ユーリス様のことを、心から愛しているから。

『それは私も同じ。私もユーリス様のことを愛しているのよ!ユーリス様が見初めたのは私だということを、あなたは忘れたの?』
「・・・さぃ。ごめんな、さ・・・・・・アナ・・・!」

・・・・・・夢。

上体を起こして荒い息をついているアンジェリークのすぐそばから、「おはようございます!」という、快活な女性の声が聞こえてきた。

「え?きゃああ!」
「あらあら。驚かせてしまって申し訳ございません」

アンジェリークは、恐る恐る声の主を見た。
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