フォーチュン
ⅩⅩⅩ (最終話)
その翌日、アンジェリークの家族が、ドラーク王宮へ非公式にやって来た。
控えめな広さと装飾が施された部屋で、マクシミリアン国王とサロメ王妃、女帝ヴィヴィアーヌと夫のアントーノフが談笑し、彼らの傍らに、娘のアナスタシア皇女が座って会話を聞いている。

和やかな雰囲気の中、ノックの音が鳴り響き、ドアが開くと、ユーリス王子がアンジェリーク皇女を伴って部屋の中へ入って来た。
ヴィヴィアーヌとアントーノフ、そしてアナスタシアは、すぐさま椅子から立ち上がる。

「アンジェリーク・・・!」
「あ・・・お母様、お父様・・・。ごめんなさい!皆に恥をかかせるようなことをしてしまい、本当に申し訳ありませんでした」
「アン!」

頭を下げて謝るアンジェリークにヴィヴィアーヌは駆け寄ると、ギュウッと抱きしめた。
そして涙を流して無事再会できたことを喜ぶ。
< 301 / 318 >

この作品をシェア

pagetop