フォーチュン
「どうした、アン」
「これは何と言う食べ物でしょうか」
「ブリト。薄いパンに野菜や肉を入れ、丸めたもの全部をブリトと呼んでいる。バルドーにはないのか?」
「あ・・ええっと・・・こんなに薄いパンというものを見たことがなくて」

それに普段、パンと野菜や肉は、別々に食べているし。
でもこれ・・・とても画期的だわ。

ガブッとかぶりついて食べているユーリスを見習い、アンジェリークは思いきってブリトにカプッとかぶりついた。

ナイフやフォークを使わずに、お野菜やお肉を食べている今の私の姿を見たら、父様や母様にまたお小言を言われそう!
でも、今の私はただの「アン」。
それにこのブリトはとても・・・。

「・・・おいしい!」
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