フォーチュン
このときのアンジェリークは、「自分から若い男性に手を握る」という、レディにあるまじき行為をしているという自覚すらなかった。
ただ、感激した気持ちをわかってほしくて、それを分かち合いたくて、彼の手を握っていた。
それがユーリスにも通じたのだろう、彼もアンジェリークの手をそっと握り返した。

「本当にこれは、“生命の木”ですね。見た目で判断をした自分を愚かに思います」
「・・・そうだな」

『恋は盲目。そして運命の輪は、正にも逆にも廻ることができます。見た目だけで何事も判断をしてはいけません』

そう生命の木に「言われた」せいか、アンが発した言葉に俺はドキッとした。
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