フォーチュン
今日は日が一番長い夏至だけあって、夜の10時を過ぎても、空はまだ明るい。

「良いお天気ね。それに暑過ぎず寒過ぎずな暖かさで」
「そういう季節だという理由もあるのだろうが、夏至祭の日に雨が降ったり嵐が吹き荒れたことは一度もないと言われている。これも自然の恩恵だろう」
「そうですわね」

ニッコリと微笑んでユーリスを見るアンジェリークを、彼は愛しげな眼差しで見返す。
穏やかな空気が、二人の周囲を包み込んだ。

「バルドーでは夏至祭が行われないのか?」
「ありますが、ここまで規模の大きいものではなく、何と言うか・・・祝事宴のような祭事が行われます。ドラーク王国の夏至祭はとても賑やかで、活気があって。実際それを体験できて、とても嬉しゅ、嬉しいわ」
「そうか。アンにそう思ってもらえて、俺も嬉しいよ」
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