浅葱色の恋心

家族  上

【一】




永井様が、ご両親を連れてやってきた



「桃香!どうしてこんな!!」


「すまなかった!桃香!
帳簿に名を記してしまった故に
すまない… すまない…」


「桃香!父上と母上が来てくれたぞ!」




青白い彩華の肌

もう、目覚めないと思った




彩華… 桃香って、呼ばれていたんだな

よかった


大事にされてて






永井様がご両親を慰めていると


「彩華?」


うっすらと目を開け

俺と平助を見た


「へへっ 思い出したよ
一 平助 ごめんなさい
私…  一緒に  暮らせそうにないや」



記憶が


戻った






死に際……だから?





いやだ!いやだ!!そんなの嫌だ!!

















< 181 / 401 >

この作品をシェア

pagetop