浅葱色の恋心

行方知れず  上

【一】




家茂様が上洛された

以前、彩華に助けられた慶喜様が


是非とも、彩華の舞を家茂様と見たい



店に出ることのなくなった彩華が



俺たちの目をかいくぐり



二条城に現れた






「本日は、お招きありがとうございます
彩華太夫どす
よろしゅうお頼み申します」






お二人は、彩華を気に入り

楽しく過ごされた




不思議なのは…






「店に戻ったんだよな?」


「それが…
店には、いないようで…」





土方さんに、暇を貰い
置屋に行ったら

すでにいなくなっていた




「おかしいなぁ
ワイ、ずっとつけててんで?
店に入るんは、みたんやで?」






また、彩華の居所が、わからなくなった














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