浅葱色の恋心

憂愁    上

【一】







加納が…



知らせを早く受け取れて良かった


俺は、まるで接点がない



「気をつけろって…触られるなってこと?」


それ以外に何がある? と聞きたいが

頷いておく


「彩華の時もそうだけど…
言われないとわかんないよな」


「そうだな」


「……」



平助が唇を尖らせる


ああ またやってる




「俺たちが、守ってやりたいのに…」





平助の呟きが、妙に切なく感じた


「ここで加納を見張るのも
彩華の為になるぞ」



「それ、俺たちじゃなくてもいいじゃん
彩華のそばにいたいと思うだろ!」



いつからだろう


彩華への気持ちまで

随分と差をつけられた




平助ほど彩華を思えていない



平助と話をしていると


チクリチクリと実感させられる





「俺は、どんなかたちであれ
守れれば、それでいい」



「一は、欲がないな」













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