浅葱色の恋心

脱走    下

交流会 当日


屯所から店に向かう

近藤 土方 永倉 彩華の前に

笠を深くかぶった男が立ちはだかる


「晴太さん お話が…少しお時間を下さい」


全員が、声で加納だとわかった


土方が彩華をチラリと見る


彩華が頷き、加納に言う


「ここで言え」


「ここでは…」


言い淀む加納に土方が


「伊東さんに無断で、俺達の前に来た
何か、理由があんだろ?
他言しねぇよ」


「……近藤局長

お命を狙われております

あ… 多分… でも!確かかと…」



「それを報せにきてくれたのかよ?」


「はい あの…
あと… お願いがあります!
藤堂さんは、伊東先生に脅されて
斎藤さんは、藤堂さんを心配して
御陵衛士になったようです
どうか…2人を新選組に戻して下さい!
脱走する手伝いをします!」


「加納 おめぇ…」







「その話 信じていいのか?」


彩華が加納の前に立つ


「はい」



彩華の右手が白く光る


加納が目を瞑る



加納の顔の前に手をやると

光が消える



「彩華が京に戻っている
連絡役に使え」



「いえ
彼女を巻き込むなど
そんな危険なことは出来ません」



「なら 今夜、晴太をそちらに忍び込ませる
おめぇの考えを聞こうじゃねぇか
可能なら、あいつらも同席させてやれ」


「わかりました
晴太さん!!」


ガシッ



加納が彩華の両肩に手を置く



「……本当に
中身は男ですね
こんなに華奢なのに……」



「るせぇっ 触んな!」





加納がにこりと微笑み、素早く姿を消す



ゆらりと彩華が振り返る




「あの男の言葉は、本心だ
彩華を守る為、命をかけるきでいる
信用して問題ない
土方 すまん」




彩華の体を土方が受け止める




「山崎」


「はい」



「連れて帰ってくれ
あと…こいつの代わりに左之助呼んでくれ」


「了解!」










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