浅葱色の恋心
「晴太!」


あからさまにご機嫌を伺いにきた新八の

無駄に明るい声を聞き流し

怪我人の看病を続ける


返事をしない私に

オドオドしながら近づいてきた


新八と左之




作業を邪魔する感じに

私を挟み撃ちすると



「伊東さんの言うことなんか
気にするなよ!?」


「そうだぞ!平助の事は、俺達も
さみしい気持ちだが
池田屋で命を落としたことを考えたら
少しでも一緒に過ごせて楽しかった」


「おう!楽しかった!」



必死に励まそうとしてる…


「ぷふっ」


「「 !!!!! 」」



「もう!真面目な話、似合わないって!!」


「せぇたぁ…」


情けない新八の声


「なぁに?」


にこりと笑って返す



「「心配かけやがってぇーーー!!!」」




「ホンマにうるさいやっちゃなぁ~」

「ね うるさいよね!」



山崎さんの命が減っていく




それを感じながら、笑う





「無理せんでええで?」


山崎さんが私の手を握る


無理しないと…


笑ってないと…



「うん」


「久しぶりに山南はんと茶でも飲みながら
のんびりしたいわ
アホみたいに働いて、疲れたさかい」


山崎さんは、死を楽しそうに語る


「よろしく伝えて…
芹沢さんや平助にも…」


「会えたらな」


山崎さんが目を閉じた 



「おい!」

「まさか!」


「うるさい!眠っただけ…」


















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