漂う嫌悪、彷徨う感情。

『コーヒーを買いに行く』と言った手前、手ぶらで事務所に戻るわけにもいかず、さほど飲みたいとも思っていなかった缶コーヒーを購入して事務所に戻る。

自分のデスクに戻り、途中まで作った資料を美紗に送ろうとパソコンのメール画面を開くと、誰かからのメールが受信されていた。

メールを開き、また怒りが沸き起こった。

『和馬と美紗、旅行に行くんだって。 お兄ちゃん、知ってた?? ココに行くんだよ、2人。 わざわざウチの会社に来て、嫌がらせの様に予約して行ったから』

真琴からだった。 真琴のメールには、ご丁寧に美紗と和馬が宿泊する旅館のURLが添付されていた。

あれから、『真琴』という名前を目に入れるのも、耳に入ってくるもの嫌になり、真琴の電話は着拒にしたし、メールもLINEもブロックしていた。

オレと連絡を取る手段のない真琴は、実家に1枚は置いてあっただろうオレの名刺を見つけて、オレの会社のパソコンにメールを送ってきたのだろう。
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