死神のお仕事
「うわぁぁぁ…」
「きゃあ!?」
人々の悲鳴。
「な、なんだ…!?」
リアゼは目の前の光景を疑った。
かまいたちのような風で、人々が斬られていた。
背中…腹部…手…足…
鮮血をほとばしらせて、見る間に倒れていく。
気付いた人々は、悲鳴を上げながら逃げていくが、その風は執拗なまでに彼らを追う。
「うわっ!?」
スパン!
リアゼの隣にあった“駐車禁止”の標識が真っ二つになった。
と、
「…アルフはどこだ?」
風の中から声がして、死神が一人現れた。
声は低く大人びているのというのに、顔は幼かった。
「なんだよ、おまえ!人のエリア、荒らすなよな!」
「アルフの居場所を言え。」
その死神は完全にリアゼの言葉を無視した。