愛する人

✳️✳️体調悪化


紫海さんが、悪いわけではないのに
ふられた痛みに、胸潰れそうだった。

俺は、その日から
紫海さんに会わないように
朝早くでて、夜中に帰るようにした。

会わなければ、忘れると
毎晩、飲み歩き。
マネージャーに叱られながら。

ただ、俺は、今まで
そんなことなかったから
かなり、心配されていたが·····

ある日
週刊紙にスッポ抜かれて
社長から
俺とマネージャーの山田さんは
呼び出されて
山田さんは、かなり叱られ
俺は、
「櫂、どうしたんだ?
何があったんだ?
だが、何かあったにしろ
仕事に穴を開けるな。
プロとして、恥ずかしい。」
と、言われて

俺は、
社長にもマネージャーの山田さんにも
詫びた。

山田さんから、
「例の美人のお姉さんか?」
と、言われて
「すみません。
ふられてしまって
自暴自棄です。」

「へぇ、櫂をふるなんて
びっくりだな。」

「餓鬼扱いされました。」
と、言うと

山田さんは、
「俺のことは、気にしなくていいが。
お前は大丈夫か?」
と、俺の事を心配してくれた。

俺は、2、3日前から
夜中に咳がでていたが
気にしていなかった。

明日は、OFFになったから
飲んで帰った。

すると······
今、一番会いたくない
紫海さんと一緒になり
咳のひどい俺を心配された。

俺は、なんで会ったのかと
自分自身にイライラして
舌打ちが・・・

それに紫海さんに感染すといけない
迷惑かけたくなかった。
紫海さんが自分の仕事に誇りを持ち
一生懸命なのを知っていたから······

エレベターの中でも
俺の背中を擦ろうとする紫海さんに
「さわるな。」
と、言った。

頼むから、優しくしないで
忘れられなくなる。

だが、俺の意に反して
俺の体調は、どんどん悪くなって
立っているのも
やっとになっていた。

鍵を解除して
中になだれ込むように入ると
紫海さんが体を支えた。

帰るように
何度も言ったが
黙るように言われた。

後は、記憶が曖昧で
何度も、着替えるように
言われたり‥‥
お粥を食べるように‥‥とか。
水分をとって‥‥
薬を飲んでと‥‥

言われるままにやってたような。
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