愛する人

✳️✳️見学


お休みの日に
櫂が、
「撮影を見に来て欲しい。」
と、何度も言うから
見学に行く事にした。

撮影場に着くと
マネージャーの山田さんが
入り口に来てくれて
「泉さんですか?」
と、言われたから
「はい、山田さんですね。
いつも、櫂がお世話になっております。」
と、言うと
「本当に、綺麗な方で
びっくりしましたよ。」
「いえ、とんでもないです。」
「こりゃ、櫂が虜になるはずです。
櫂が朝からソワソワしてましたから、
行きましょうか。」
と、言って貰い
「はい。
よろしくお願いします。
でも、お忙しいのにすみませんでした。」
と、言うと
「いいんですよ。
私が、泉さんにお会いしたかったの
ですから。」
と、言われて
「うふふっ。」

山田さんと櫂の話をしながら、
撮影場に入った。

撮影場にに入ると
見たことのない表情で
櫂が仕事をしていた。

うわぁ‥‥すごく
格好いいと、感心しながら
見ていると

誰?
綺麗なひと?
どこのモデル?

等々・・端々から聞こえて
ジロジロ見られていた。

山田さんが
「大丈夫ですか?
泉さんが、あまりにも綺麗だから。」
と、こそこそ話してると

フワッと‥‥櫂の匂い。

「山田さん。
引っ付きすぎ!!
俺の!!」
と、私を抱き締めながら
言うから
山田さんは笑い出すし

「かいっ、櫂。もう····
山田さんは、心配してくれただけだよ。
お仕事、いいの?」
「紫海に近づいて良いのは、
俺だけなの。」
と、言うと
「今、休憩だよ。
どう、始めてみて?」
と、訊ねるから
「櫂。凄くかっこいいよ。
別人みたい。」
「そう、惚れ直した?」
「くすっ、うん。」
二人の会話を聞いていて
山田は微笑んでいた。

知らない櫂の一面が見れたのが
嬉かったみたいだ。
< 27 / 75 >

この作品をシェア

pagetop