愛する人

✳️✳️麻痺してる


母親は、固くなに
話をしようとしなかったが

父親が、
「話してやれ。
こいつは、こんなやつでも
紫海ちゃんの旦那で
腹の子の父親だ。」
と、言った。

母親は、
「だから、頭に来るのですよ。
お腹の子や紫海ちゃんに
何かあったら、
私は、あんたを許さないから。

ちやほやされた、世界にいるから
人間としての常識を失い

平気で人を何度も、何度も
傷つけるのよ。

毎回、あんたのニュースが
出る度に、紫海ちゃんが
平気でいたとでも思っているの?」
と、言われた。

それから、
「紫海ちゃんは、出血が続いていて
絶体安静なの。
あんたは、行くんじゃないわよ。
まあ、先生が中には
入れないだろうけど。」
と、言った。

「えっ、出血?
とまらない?
絶体安静?
俺の・・俺の・・せい?
瑠偉は?」
「瑠偉は、
私がみたり、病院に行ったりしてるよ。」
と、言うと
「······そうか·····
  そう·····ありが······とう·····。」
と、やっと言った。

俺は、どうしたら・・
調子に乗ってた?

モデルだから·····仕方ない·····
と、思っていた?

毎回、毎回、笑って迎えてくれる
紫海の事を心配すらしてなかった?

嘘でも·····なんでも·····

平気な·····はず····ない······

何らかのことがあるから、
話題になるの·····だから········

お袋の言う通り
ずっと、ちやほやされる
世界にいるから、麻痺してる·····だ·····
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