青涙
6blue
「なぁ。お前、昨日魔王に無視されたんだよな?」

「うん…」

「なのに、どうして今日はお前にべったりくっついてたんだよ?」

「べったり…って」

「べったりだっただろ!
昼休みの時なんかトイレまでついてきたんだろ?」

「まぁ…。
でも、別にトイレの中まではついてきてないし…」

「俺が来たからだろ?
俺が来なかったら、あいつ、ついて行ってたぞ」

「まさか…」

変人だからって…

さすがにそこまでは…。

「平太…」

「うん?
あれ? 魔王。
ってか、俺の名前呼んだか?
初めてじゃん? なっ?」

「そうだね…」

「で、何だ?」

「原井先生が…呼んでる…」

「原…井?」

「教室に居る…」

「そうか…」

「ちょっと…。
“そうか”じゃなくて…。
早く行きなさいよ…」

「いや…呼ばれる覚えが全くないしさ。
帰ろうぜ!!」

「行きなさい!!」

「でも…間違えかもしれないしさ…」

「間違えって何よ!!
へ…東間くんが原井先生が呼んでるって!!
そうでしょ?」

変人がコクりと頷く。

「ほら。
行きな!!」

「でも…」

「行・き・な!!」

「分かったよ…。
…帰んなよ」

「帰んないよ…。
校門の前で待ってる」

「…行ってくる…」

「うん…」

平太は教室に走って戻って行った…。
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