素直の向こうがわ


次に目が覚めた時には、何故かベッドの中にいた。

ゆっくりと瞼を上げると天井が見えた。
そして部屋の中は少し薄暗い。


学校に行こうとして、結局無理で、それから……。


自分でここまで戻って来たのだろう。そもそも今一体何時なのだろうか。

薄暗いから夕方かな。

身体を起こすと、朝とは比較にならないほど身体が軽かった。
額に手を置いてみてももうそんなに熱くはない。


寝たから治ったんだ。


そう思った瞬間、無断欠席をしてしまったことに気付いた。
誰にも連絡もせずに休んでしまった。


してしまったものは仕方ないと、とりあえずシャワーを浴びようと思ってベッドから出る。


「ぎゃっ」


立ち上がってすぐに視界に入ったもののせいで、私は心臓が口から飛び出るかと思った。驚きのあまり呼吸停止になりかける。


どうして――?


壁にもたれて座ったまま眠りこけている河野の姿があったからだ。




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