意地っ張りの涙(仮)
プロローグ
今でも覚えてる。

「俺、さっき告白された。付き合うかも…」

あの時の夏目煌太(なつめこうた)君の姿。

「へ…ぇ、良かったじゃない。おめでとう!」

胸の奥がズキンズキンと痛んだことも。

「本当に良いのか?」

そう言った夏目くんの手の熱さも真剣な声も。

何も言えずにいた情けない私を。



そして何よりも胸の痛みの意味すらわからずにいた
幼すぎた私を……忘れることは出来ない。


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