偽王子と嘘少女


「アクセサリー…なくなってる」


さっきはあれだけじゃらじゃらついていたアクセサリーのほとんどが、なくなっているのだ。


「まあな。かぐ…じゃなかった、柊もいるから、あまり派手な格好じゃないほうがいいと思ってさ」


「自分でちゃんと気付けるなら、最初から普通に来てよ」


「う、うるせーな」


でも、その気遣いはちょっとだけ嬉しかった。


「そうだ、今日は行きたいところがあって…」


「行きたいところ?」


どこなんだろう、と首をかしげてみれば、藤堂くんは急に学校バージョンに変身した。


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