偽王子と嘘少女
だけど、紫水くんの都合もあるし、無理に行ったらまずいかなぁ。
うーん…どうしよう。
紫水くんのこととなると、そればかりしか考えられなくなってしまう。
希子のことも、正直このときは頭になかった。
教室を見渡すと、ちらほら人が増えてきたようだが、藤堂くんも希子もまだ来ていない様子。
だったら、まだ考える必要もないかな。
そしてまた、スマートフォンの画面に目を向けた。
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差出人 : 柊 かぐや
宛先 : 紫水くん
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件名 : こんにちは
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こちらこそ。
一緒に夏祭り楽しめて本当に、
良かった。
ありがとう。
勉強会の件なんだけど、
お誘い自体は全然嬉しいです。
でも、テスト明日なんだよね…
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なんで打つべきか分からなくなり、ぐちゃぐちゃな文面のまま、とりあえず送信ボタンを押した。